人種差別についてアメリカの人達が優しく話し合うYouTubeビデオ


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海外生活の中で人種差別が話題に出る時はほとんどが良識ある人達との穏やかな話し合いになる。ネットで燃えまくっているような過激なのは実生活ではほぼ見かけることがない。

ほとんどの人は人種差別が現代における最大のタブーであることを分かっているし、できれば無い方がいいと思っている。その前提に立った上でどう対処するかを話し合ったりする。

YouTube に人種問題に関する素晴らしい話し合いのビデオがあった。アメリカの異人種カップル5組の合計10人が部屋に集まり、それぞれの質問に答えつつ話をする。床には縞状に線が数本あり右から「大いに賛成」「賛成」「反対」「とても反対」を示す。質問の答えに合わせて各メンバーがその意見の線上に立つ。

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アメリカのどこの街にも居そうな人達の人種差別に対する優しい話し合いを垣間見ることはとても有益だと思ったので意訳した。


YouTube ビデオの意訳>>>

Q: 意図せずパートナーに人種差別をしてしまったことがある?

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いいえ  はい
6人  4人
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Ivan「以前パートナーと口喧嘩をした時に『怒り狂った黒人』って言葉が出てきたんだ。あれはかなり悪い口論であれ以来は2度とあの間違いを犯さないようにお互い学んだんだ。ある意味でいい口喧嘩だったのかもね。」

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Grace「白人女性としてアフリカ系アメリカ人の男性と恋人関係になったのは彼が初めてで、それはすごい未知の世界だったの。彼と出会う前は自分が人種差別主義だなんて微塵にも思ったことなかったけど、無知だっただけなのよ。そういう意味で以前は知識が無さすぎたわ。」

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Chris(Grace の夫)「正直にいって、キミのことを差別主義者だと思ったことは1度もないけどね」

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Johnny「以前はラップミュージックの N ワードなんかを気軽に聴いたり使ってたね。でも彼女と結婚して言葉の使い方を変えたんだ。明らかに彼女と結婚したことが影響してる。

ちなみに彼女もこの賛成側にいるべきと思うんだ。だって彼女ってたまにアジア訛りの英語で話したりするんだもん。」

会場笑

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Taylar(Johnny の妻)「ごめんなさい。アジアコミュニティに対してじゃないの。あなたのマネをする時だけよ。あなたもあなたのお母さんのマネをする時にすごい訛りで話ししてるわよね。それ以外ではアジア訛りなんてしないわ」

Q: 人種的好みがあっても愛があればいいと思う?

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いいえ  はい
8人  2人
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Taylar「どんなことにもいい方向に発展する余地があるはずよ。だから最初は人種的好みからであっても、その人とずっと関係を続けていく中で愛に変わって、最初に抱いていた『偏見的な感情はよくなかったわ』って反省するようになれば結果的にはいいと思う。」

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Alexander「仮に両者が同意した上であったとしてもいわゆるステレオタイプによって決めてるってことに変わりはないよね。そういう意味では僕は賛成できない意見だな。」

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Oliver「白人男性としてアジア系女性の妻と一緒に居るでしょ。それで別の白人男性からそれとはハッキリ言われなくても『おおー。いいねー。アジア系女性だねー。うんうん』みたいなイヤな感じがあることはあるね。」

Q: ミックスの子供が欲しい?

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いいえ  はい
9人  1人
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Johonny「僕は全ての人種がミックスの子供を持ってみるべきだと思うんだ。おかしな発想かな?」

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Alexander「僕自身がミックスとしての意見なんだけど、ある時には一方のコミュニティに属してある時には別のコミュニティに属する人生だったんだ。はっきり言ってあまりいい思い出ではないね。 僕自身はブラックであることに誇りをもってるし、同時にミックスとして両方のカルチャーの血が流れていることも誇りに思う。ただ今までの人生で受けた出来事を自分の子供にも味わって欲しいとはとても思えないな。」

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Chris「以前は僕のような肌の色で完璧な黒人の子供が欲しいと思ってたよ。『お前なに?』ってぐらいに自分にうぬぼれてたしね w。でも今は完璧な妻と巡り合って、そういう自我はなくなった。」

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Grace「今の話を聴いてうれしいわ。だって彼が言ったことって確か最初のデートの時に話題に出たことがあって。でも完璧な褐色の肌を持つ子供って私にはどうやっても叶えられないし。それがブラックコミュニティの大多数の意見ってのも知ってるの。だから今、私達が子供の肌の色にもうこだわりを持ってないってことがとても嬉しいわ。」

Q: 時々、自分の人種を裏切ってしまった気持ちになる

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いいえ  はい
6人  4人
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Chris「やっぱり自分のルーツや生まれ育ててもらったコミュニティに対してひどい仕打ちをしているんじゃないかって思うことはあるよ。まーブラックコミュニティの人達は僕の言うことなんて尊重しないんだ。なぜなら僕はコミュニティの外にいる人と愛する関係になってるからね。彼らにとってはリスペクトを欠いてるように見えるんだよ。」

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Alexander「僕はミックスとして育って、見た目や話し方が純粋なブラックカルチャーを代表していないことは明らかなんだ。また白人系の人からも言われるんだ、キミはオレたちとは違うって。じゃあキミらの意見は僕はどっちでなんなんだ?ってなるよ。 もし僕をコミュニティの一員として迎えるのなら、僕がミックスだからじゃなくてもっと僕自身を見てくれよって言いたくなるんだ。それがなかなか叶わないことは分かってるんだけどね。」

Q: パートナーの家族の中で疎外感を感じることがある

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いいえ  はい
5人  5人
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Chris「政治的なトピックになったらすごく感じるね。妻の家族の家に行くとそこは全員が共和党支持者で、僕はそれとはまったく異なる場所で育ったんだ。正直に言って居心地はちょっと悪くなるね。そういう場所で妻の親戚の人達と仲良くしなければってのはプレッシャーだよ。僕にとっての大切な価値を、彼らにも同じように価値を感じてもらうことはほぼできないんだ。」

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Grace「彼は私にとってはじめてで唯一の恋人関係になったアフリカ系の男性で、私の親戚を含めた全家族の中の唯一の非白人なの。だから親戚家族はみんな『あなたがどんな人と結婚しようとサポートするわ』って言ってくれる。これって同じ現象を別の側面から見るいい機会になったわ。」

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Alexander「初めて妻のお父さんと一緒に散歩した時、ロナルド・レーガン博物館に行ったんだ。お父さんはロナルド・レーガンが好きでね。でもロナルド・レーガンも含めて、今の政治って人種問題と密接にからんだトピックで、そんなことを話すのって大変でしょ。なにか人種にからむ政治的意見を求められたらイヤだから、あえて黙ってたよ。だって肌の色の違う婚約者のお父さんと初対面でそんな会話はしたくないよね。基本的に彼は本当にいい人で尊敬してるよ。ただ僕が気にしすぎているだけかもしれない。でもどうしてもそういうことってあるよね。」

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->>>意訳終わり

なんとか意訳してみたけど、どうしても話している人達の雰囲気を再現できていない部分がある。そこはぜひビデオを観てください。

このビデオに登場する人達はひとり残らずみんな良識がある人達。話し合いも日常のどこにでもある出来事を元にしたのばかり。これが本当の意味で人種の問題に真正面から向き合う姿勢だと思う。

「人種差別ダメです!」みたいな単に弾劾するだけではその先に進めることができない。

海外生活の中でここで話されているような内容のことを何度も周りの人達と話したことがある。きっとあなたも海外のどこかで人種問題に遭遇するとしたら、このビデオのような穏やかな話し合いの場になるだろう。

もし今、英語を勉強中だったらこのビデオの登場人物達の輪の中に入って意見交換する場面を脳内でシュミレーションしてみてはいかがだろう。英語能力がどうこうと言う前に、このビデオに登場した人達と向き合ったとして、そこでちゃんと意見が出てくるのか考えてみることには意味があるはず。

情報革命で世界はどんどん小さくなっている。もう異人種間の問題を海外だけの対岸の火事として見ていられる時代は終わった。好むと好まざるに関わらず、これからはますます異人種間での仕事や生活の機会が誰にとっても増える。

実際に日本でも大坂なおみ選手のように人種を超えたスポーツ選手の活躍や外国人技能実習生の問題など様々なトピックスがある。人種の問題に普通に向き合っていないと、その対処に未熟さが出てしまう。身近に異人種の友人が居なかったり、彼らと話す機会が限られていると尚さらだ。

そうならないためにも YouTube でこんな話し合いを視聴しておくのはとても意味があると思うのでオススメです。




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