ジャバ・ザ・ハットリ
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イーロン・マスクがスペースXでやったことにシビれた

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イーロン・マスクのこれまでの業績を知っていたとしても、改めて時系列で追っていくと「こんなことを本当に成し遂げたのか?!」となる。

ただイーロン・マスクの実績はロケットから電気自動車、脳に直接ぶっ刺すデジタルデバイス、宇宙インターネットまで、それは並のビジネスマンとは桁違いで全部書くとあまりに長くなる。なのでこの記事ではスペース X の業績にだけ絞って書いた。


スペース X のこれまで

180 million USD

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20代で創業した会社 X.com がペイパルと統合され、その後に eBay に買収されて、210億円のキャピタルゲインを得る。


持ち金を全て事業にあてる

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  • スペース X  120億円
  • テスラ 80億円
  • ソーラーシティ 11億円

を投資する。

すっからかんになったイーロン・マスクは自分の家の家賃を払うために人からお金を借りていた。


スペース X の人材採用

アメリカ中から優秀な人材を募ってチームを作ろうとする。

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当時のイーロン・マスク 「もし興味があったらぜひ履歴書を送ってください!」


ファルコン1 - 初回の打ち上げ - 失敗

最初のロケット「ファルコン1」はわずか18ヶ月の開発期間の後、打ち上げが決行される。

2006 年 4 月

【結果】41 秒で爆発。

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【原因】 燃料パイプ部品の亀裂からの燃料のもれにより爆発


ファルコン1 - 2回目の打ち上げ - 失敗

2007 年 3 月

【結果】2つ目のエンジンに点火し、第2段が軌道に乗った瞬間、空中分解して爆発。

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【原因】 タンクの中の推進剤が減ってきた際に、推進剤がタンク内を動き回り、中の壁に当たりロケットがバランスを崩し、穴が開いて激しい空気抵抗により爆発。


ファルコン1 - 3回目の打ち上げ - 失敗

2008 年 08 月

【結果】ロケットの第1段と第2段が切り離された瞬間に爆発

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【原因】 切り離しの瞬間、新エンジンの推進ミスで第1段が第2段に衝突し、ロケット上部とエンジン自体が損傷

「いくらなんでも3回も連続で失敗して、まだ1度もロケットの打ち上げに成功していない。これで資金も評判も底まで落ちて、もはやこれまでか」と意気消沈する技術者たちが無言で集まる部屋の中。誰ひとり話もしない。そこにイーロン・マスクがやってくる。

イーロン・マスク「おい!何をやってるんだ?そんな顔するな。前を向くんだ!原因はなんだったんだ?まだ分かってないのか?じゃあ解析しろ。爆破した破片を拾い集めて解析して解決策を立てるんだ。お前らエンジニアだろ!落ち込んだりしてないで、科学的にアプローチするんだ」


倒産の危機

2008 年

リーマンショックにより世界的に景気が後退する。その煽りを受けて元から資金が尽きかけていたスペース X がさらに窮地に追い込まれる。

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同時にイーロン・マスクの経営する電気自動車のテスラも危機的な状況。車が出荷されず、また肝心の車の品質にも問題が多く出てしまう。メディアから「テスラはまともな車を作れない自動車会社」と評価され、倒産の危機が明るみにでる。


最初の妻との離婚

同時に2つの会社の経営危機で仕事に追われ、家に帰っても精神的に不安定な状況が続き、結婚生活も破綻をきたす。

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イーロン・マスク 「2008 年は人生の中でもっとも困難な年だった」


ファルコン1 - 4回目の打ち上げ

2008 年 09 月

もしこれが失敗すれば会社は確実に倒産。次のチャンスは1ミリも残されていない、文字通り「最後の賭け」に出た状況

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3,2,1 点火! グングン宇宙に飛んでいくロケットが衛星軌道にまで達し、ついに成功を収める!

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スペース X 社内は歓喜の嵐

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打ち上げ後のイーロン・マスクのスピーチ

(時々、声を詰まらせながら)「歴史的な快挙だ。ここにいるみんなで。。。ずっと諦めないで勝ち取ったものだ。。。。。ありがとう!」


NASA からの発注

2008 年 12 月 23 日

NASA より電話を受けて 1.6 ビリオンの契約決定の報告を受ける。内容は国際宇宙ステーションへのペーロードの運搬。電話口でイーロン・マスクは涙を流す。

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NASA の長官チャールズ・ボールデン Jr 氏とがっちり握手

テスラにも貸付の形で資金を注入し、ギリギリのところで倒産を免れる。

イーロン・マスク「文字通り後2日遅かったらスペース X もテスラも倒産してこの世に無かったね」


ファルコン9

ファルコン9が国際宇宙ステーションにドラゴンカプセルを運ぶミッションを手がける。

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ロケットの再利用

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イーロン・マスク 「仮に飛行機が 1 回だけ飛んで機体を廃棄する仕組みだったらコストがかかりすぎて、みんなが使える移動手段にはなってない。今のロケットはそんな状況なんだ。」

第一段ロケットが切り離された後にエンジンを逆噴射して地上に戻ってくる仕組み。

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前例のない試みでかつ技術的難易度が高く、何度も失敗と検証を繰り返すことになってしまう。

失敗

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失敗

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失敗

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失敗

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2015 年 12 月 21 日

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ついにファルコン9が逆噴射着陸を成功させる

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スペース X の従業員達が歓声をあげ、抱き合って喜ぶ姿

2018 年

ファルコンヘビー

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発射されたロケット2台のロケットが無事にドローンシップへの着陸に成功する


ISS(国際宇宙ステーション)

2020 年

宇宙飛行士を国際宇宙ステーションへ送り届けることに成功

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世界初の民間宇宙開発会社による ISS への搬送として歴史に残る偉業となる。

スターシップをはじめとして野心的なプロジェクトがこれからも続く


スペース X のミッション

To revolutionize space technology, with the ultimate goal of enabling people to live on other planets.

宇宙開発に革命をおこし、人類の別惑星へ移住を可能にすること


まとめ

もしあなたが仕事のボーナスで 200 億円とか入ったらどうするだろう?夢の島でのんびりするとか、悠々自適に暮らすとか考えるかもしれない。

イーロン・マスクは実際にそんな大金を手にした。もちろんそこに至るまでも彼流の先見性とハードワークの成せる業なのだが。その後、その持ち金の全てを事業につっこみ、過酷なチャレンジに自ら飛び込んでいった。のんびりするどころか、精神崩壊の一歩手前にまで追い詰められるほど事業に邁進した。

その挑戦はとどまるところを知らず、今も続いている。

イーロン・マスクのチャレンジはスペース X をその辺の投資家が喜びそうな優良銘柄にすること、なんてレベルじゃない。そんな次元を遥かに超えて「地球が滅びたとしても別惑星に移住して人類と文明を存続させる」とか。もう発想もスケールもぶっ飛びすぎ。

壮大なビジョンを元に突き進むイーロン・マスクの姿と情熱は人の心を熱くさせる。

ここに書いたのはスペース X の要約でしかない。スペース X の他にテスラやニューロリンク、ソーラーシティ、スターリンクなどイーロン・マスクの奇想天外なプロジェクトはまだまだある。

今のところ彼の唯一の公認伝記である「イーロン・マスク 未来を創る男」はそんな彼の経歴がかなり詳しくレポートされている。イーロン・マスク本人はもちろん、彼の家族や共に働いていた人達、クビにされたしまった人達にまでインタビューして、それぞれの現場で起こった出来事が記録された本。彼のちょっと普通じゃない変な性格に関することまで書かれている。

小説ではないし、ドラマ仕立てでもないはずなのに私はこの本でひたすらに事業に打ち込んむ内容を読みながら、何度も目頭が熱くなった。作り話じゃないから、わざと感動的な物語にしてる訳でもなんでもない。「ロケットが**の理由で失敗した」とか、事実がひたすらいろんな人の証言を元に書かれていただけ。なのにずっと熱い思いをヒシヒシと感じて、自分の仕事感もかなり影響された。

あまりにシビれてしまったので「スペース X の経歴だけでも」と、このブログにまとめた。こんなにカッコいい人はなかなか居ない。(性格はちょっと変だけど)

イーロン・マスク 未来を創る男

キャプチャーとして引用したスペース X ロケットのビデオ






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