ジャバ・ザ・ハットリ
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「テメー偉そうに」と言われても身の丈レベルでブログ発信する意義が海外在住中のエンジニアはある

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日本で活躍中のエンジニアで「海外転職をしたい」とか「海外移住したい」と考える方がいれば、その参考になればと思ってブログを綴っている。すると時々コメント欄なんかで「ちょっと海外に出たからってなに?本当にすげーもん作ってから偉そーに言えよ」みたいなのも来る。
そんな辛辣なコメントを多少受けたとしても「身の丈レベルでブログ発信する意義が海外在住中のエンジニアはあるはず」という話。

身の丈レベルとはこんなの。

  • 一瞬で仕様を理解してコードを完成させてしまう頭のキレるスーパーエンジニア ではない
  • ネイティブと遜色なく互角に英語で渡り合えるだけの完璧な語学力がある訳 ではない
  • 腐るほど金がある訳 ではない

例えば私はイーロン・マスクのインタビュー記事やなにげないツイッターのつぶやきまで全てフォローしている。世界最高峰の頭脳から繰り出される発想を少しでも理解したいからだ。しかしとてもじゃないが「イーロン・マスクの活動に自分も感化されました」なんて気持ちは一切沸かない。

スポーツの中で唯一好きなのはサッカーだけだが、メッシやクリスティアーノ・ロナウドのプレーを見て「今度自分もアレやってみよう」とは思えない。何も分かってないガキじゃないので自分とメッシとがどれぐらい違うのか、の分別ぐらいはある。

どんな世界でもスーパースターの活躍は素晴らしいが、自分に置き換えることはできない。

で、前述の身の丈レベルのブログ発信の話に戻る。私はかつて日本で社畜エンジニアをしながら、海外転職に挑戦するもののことごとくお断りメールをいただいていたことがある。そんな時にスーパーエンジニアのブログはあまり参考にならなかった。どれだけイーロン・マスクをフォローしても「あの天才とオレとは違う感」がどんどん出てきて余計にヘコむ。

あの時期に本当に役に立ったのは自分とそんなにレベルの変わらない日本人オッサンが「なんとか海外の会社に転職しまして、もがきながらやってます」みたいなブログ記事だった。

そういうのは「この人でもできるんならオレだって」と思わせてくれるし、天才は持ち合わせていないノウハウがあったりする。失礼を承知で言えばそのブログ主がショボければショボいほど勇気が出る。

だからと言ってブログでわざと自分のショボさをアピールしても情報が歪むだけで有用ではない。どんなにレベルを落としたところでエンジニアとして海外の大都市圏に移住するにはそれなりの英語力と技術力は必須になる。

この辺りを「それなりのレベルは必要。ただし天才でなくても Ok」を発信できるのは私のような身の丈レベルで生き残っている海外在住エンジニアだけだと思っている。それはイーロン・マスクやイチローがどんなに偉大であっても偉大すぎて彼らにはできないことなんだよ、と。

海外に出ようと考えていてそれを阻害するもっとも大きな要因はその人の精神にある。今の時代の海外移住なんて雲を掴むような話な訳が無いし、ちゃんと計画すればほぼ誰でも可能だ。それでもその人自身が「オレきっとイケるわ」と思わなければ、とたんにその海外移住を阻む壁が高くなり、不可能になってくる。せっかく「海外移住かー。やってみたいなー」と思っていて、それを可能にするだけの素養があるのに、そんな根拠の無い精神でチャンスを逃す人がいるのは本当にもったいない。

このブログのように身の丈で「海外でなんとかやってます」というブログがたくさん量産されれば、諦めてしまいがちな人達にとっての海外移住が当たり前になっていくと思っている。

ベルリンのような国際都市で多国籍なエンジニアと共に仕事をしていると世界の国々で「稼げそうなプロジェクト」「おもしろそうなプロジェクト」を目指して国境を越えて人が押し寄せているのが分かる。しかし日本はその流れから取り残されているようだ。実際、私はベルリンのスタートアップでまだ日本人エンジニアに出会ったことが無い。
日本にとどまる選択をする人が大多数であることは百も承知だ。ただ少数派であっても日本を出ようと考えるエンジニアは必ず居るはず。そんな方達が根拠の無い理由で諦めることなく、実行に移して日本が IT エンジニアのグローバル化の流れから取り残されないようになって欲しい。

ということでこんな身の丈レベルのブログを参考にしてください。

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