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『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』書評
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- ジャバ・ザ・ハットリ
『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んで「これはごちゃごちゃ言い訳してないで、とにかくモノ作って公開しよ」と思った。そして今、まーまー高いモチベーションでコードを書いている。たった1冊の本でここまで「やったるぞー」的な気持ちにさせる本は他にはあまり無い。
読んだのはこれ。
The Inevitable: Understanding the 12 Technological Forces That Will Shape Our Future |
作者: Kevin Kelly |
出版社/メーカー: Viking |
発売日: 2016/06/07 |
メディア: Kindle 版 |
紹介文の抜粋
「人工知能、 仮想現実、 拡張現実、 ロボット、ブロックチェーン、 IoT、 シンギュラリティ――これから 30 年の間に 私たちの生活に破壊的変化をもたらすテクノロジーは 12 の不可避な潮流から読み解ける。WIRED 創刊編集長による待望の最新作」
人工知能や仮想現実などエンジニアが職場の同僚と雑談している際によく出るトピックをそのまま扱っている。ただそこは WIRED 編集長のケヴィン・ケリーらしく、単なる最新技術の紹介には終わらない。そこに至るまでの過程が論理立てて考察されているのが本書のみどころ。
とても感銘を受けた箇所を私なりの意訳で紹介する。
20年ほど前にアメリカの TV 会社 ABC の幹部達にインターネットの脅威に関して説明したが、幹部達はいまいちピンと来てなかった。
最後にせめてものアドバイスとして「abc.com のドメイン名がまだ取られていません。この機会に取っておいたらいかがですか?」と提案した。
それに反応した ABC の幹部はたったひとりだけで、コメントは「ドットコムって何ですか?」だった。
その後1ヶ月経って abc.com の取得状況を調べたがまだ誰も手を付けていなかった。
IT 関連で働く人がよく言う「もし 1995 年にタイムスリップしたら。。。」に続く言葉はこんな感じ。「どんなドメイン名でも取り放題だし、オレがまっ先に検索エンジン作ってスマートフォンも作って巨万の富を得られるのに!」と。
実際 1995 年の世界ではネットはあまり普及しておらず Google も存在せず、スマートフォンなんて影も形も無かった。
現在では全てがネットで満たされて IT 業界を牛耳る巨大企業がひしめき、そこに割って入るスキがほぼ無いように感じてしまう。
現在ではビッグワードのドメイン名を取ることなんてほぼ不可能。(abc.com はもちろん取られている)
(ケヴィン・ケリー氏による解説。ここ数年の技術革命がいかにぶっとんでいて、わずか数年で予想もしなかったことがたくさん起きていること。それらは今後もさらにスピードをあげて起こり続けること、が説明される。)
- 未来の 2060 年の人の生活を想像してみる。2060年に暮らすある人のつぶやき「ああ。いいなー 2017 年の人たちは。もし 2017 年にタイムスリップしたらアレ(まだ知らないすげー技術)もまだ無かっただろ。コレ(まだ知らないすげー技術2)も無かったんだろ。オレが作ってやるのに!」
- 2060 年になってからそんなこと言うぐらいなら今やりましょう。
とにかく今ほど技術革命を起こすのに最適な時はないよね、と。
言ってしまえばそれだけのことであってもこれだけの最新事例と理路整然とした考察を元に語られたら「はい、そのとおり」としか言いようがない。そして「言い訳してないで、なんでもいいからモノ作って公開しよ」と心に誓った。そう思えただけで、この本の購入値段の何倍もの価値になってエンジニアに返ってくることが保証できる。
おすすめです。という訳でブログ書くのもそこそこにしてコード書くことにする。
日本語版ならこちら
〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則 |
作者: ケヴィン・ケリー |
出版社/メーカー: NHK 出版 |
発売日: 2016/07/27 |
メディア: Kindle 版 |
The Inevitable: Understanding the 12 Technological Forces That Will Shape Our Future |
作者: Kevin Kelly |
出版社/メーカー: Viking |
発売日: 2016/06/07 |
メディア: Kindle 版 |