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外国人同士でランチをとると、たわいの無い会話がたわいの無い会話でなくなってしまうのでした
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- ジャバ・ザ・ハットリ
もしシンガポールのスタートアップでエンジニアとして働くなら、よほどのことでもないかぎり、その人は職場で唯一の日本人になる。シンガポールには約 2.5 万人の日本人が在住しているが、そのほとんどは日系企業の駐在とその家族。もしくはある程度の規模の企業で日本向けの仕事に従事している方がほとんど。好き好んでわざわざ外国ののスタートアップで働くことを選ぶ日本人は少ない。
職場で唯一の日本人をしていると「おい、ちょっとランチでも行こか」となると、その人はいわゆる日本代表になり、テーブルを囲むのは全員の国籍、民族、人種が異なるという状況になる。
IT 系のスタートアップの場合、地元のシンガポーリアンの数も非常に少ない。エンジニアの技術があれば国籍がなんであれ、「そいつ採れ」となるので自然とシンガポーリアンが少なくなる模様。エンジニアチームはアジア、東ヨーロッパ、アフリカ、南米、北米、出身の正直地元の地名を言われても「それどこ?」としか言いようのない方々ばかりになる。
みなさんエンジニアであってお笑い芸人ではないのでランチでの会話もそこまでハイテンションではなく、ごくごく普通の会話。基本は日本にある会社での、おーえると呼ばれるお嬢様方やバーコード頭のおっさんの会話と変わらないように思う。ただ、それがたわいの無い会話にはならない。
例えば
「今は都会で働いてるけど、いずれは地元の田舎に帰って親の面倒みたりしたい。うちの親は高齢出産してるからきっとアンタらの親よりうちの親の方がかなりオジーババーだと思うんだよな。」など。
これってどっかでよく聞く話で面白くもなんともないんだけど、この話者は出身がルーマニアだったんよね。彼の言う地元とはルーマニアのなんとかって場所(忘れた)で、親は当然ルーマニア人のおじいさん、おばあさんと思われる。
するとみんな質問しまくりになる。「ルーマニアの若い奴はだいたいそんなこと考えてんの?」「ルーマニアの老人は引退したら何するの?」「老人は別の国に移住しないのか?」「ルーマニアに年金はあんのか?」「ルーマニアで金もってるのは若い奴か年寄りかどっち?」「テメーのそのルーマニアの家ってどんな間取りなん?」「隣の家までどのぐらい離れてるの?」
聞けば聞くほど「ほーそうだったのか」となること多数。今回はルーマニア版だったが、日を変えるとこれのブラジル版やカナダ版となる。
正直、いいオッサンになる年齢になってしまったが、いまだに知らなかったことばかり。
ブログに書くほどのすげー事件でもびっくりするような話でもなんでもないが、
外国人同士でランチをとると、たわいの無い会話がたわいの無い会話でなくなってしまうのでした。