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英語圏のエンジニアの採用プロセスを知れば海外転職を攻略できる
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- ジャバ・ザ・ハットリ
英語圏のエンジニア職の採用プロセスはほぼどこでも共通。なのでこのプロセスを知れば、海外企業へ転職の応募をしようとする人にとって参考になるはず。もっと言うと採用プロセスがどんなもので、そこに関わる人がどう考え、どう関わっているのか、を知ればよりカンタンに攻略できるだろう。
シンガポールでもベルリンでも何度も転職を繰り返して、応募する方、採用する方と何回も関わってきて言えることは採用プロセスそのものは企業によって大差なくどれも同じ。そしてわりと攻略できる、ということ。
採用プロセスを全て公開するのでぜひ参考にしてください。(日系企業は除きます。全メンバーが英語を話す外国の会社とお考えください)
履歴書(CV)のスクリーニング
[企業がやってること]
エンジニアチームが人事の人にどんな人材が必要なのかをざっくりと伝える。いろいろ話すんだけど、人事というのはエンジニアリングのプロではないので、結果的に伝わっているのはいくつかのキーワードだけになる。テクノロジーの名前とか、プログラミング言語の名前とかだ。例えば「データサイエンス、SQL、Django、React」とか。
それを聞いた人事は契約している人材エージェントや自社のウェブサイトに応募があった履歴書(CV)をスクリーニングする。人事の人がスクリーニングする、というのは履歴書データを検索で引っ掛けて、ヒットした履歴書をちょろちょろと読むことになる。
今回エンジニア職に2人の新しいメンバーに入っていただいて人事に「どれぐらいの履歴書をスクリーニングしたの?」と聞いたら「1500枚」と言っていた。どこでもいい人材は取り合いだから、1500枚が多いのか少ないのかは不明だがとにかくそんな感じ。
[応募する際の対策]
重要なのは履歴書にキーワード用語がしっかり入っていること。検索に引っかからなければ目に止まらない。目に止まらせるには検索しそうなキーワードを入れておくこと。
エンジニアなら技術用語は確実に入れるべし。
Creative(創造性)innovational(革命的)とかのカッコいい言葉を使って自分をいいように主張してもいいけど、そういう言葉が検索キーワードには絶対にならない。エンジニアは「React ができるジュニアクラスのエンジニアが欲しい」とかって指定するから履歴書もそれに合わせるべき。(別に innovational って言葉を絶対に使ったらダメって訳ではないです)
エンジニアによるスクリーニング
[企業がやってること]
人事のスクリーニングを通過した履歴書が何枚かエンジニアチームにも流れてくる。エンジニアがザッと見て技術的に的外れだと落選になる。ここでやってるのは人事のスクリーニングとのすり合わせ。履歴書がたくさんあるから人事の人に「今後はこういう履歴書は除いて欲しい。なぜなら、」とか言ってこれからのスクリーニング基準の足しにしてもらう。
[応募する際の対策]
主要な技術に対して「それがどのぐらいできるのか」が重要。できるってことに対する表現を工夫した方がいい。「JavaScript できます」だけではちょっと伝わらない。めっちゃデキるのか少しできるだけなのか、によって違うけど「どういう風にどのぐらいできるのか」を表現するべき。
人事による最初の電話確認
[企業がやってること]
スカイプとか Google ハングアウトで電話して、人事が応募者に基本事項の確認を行う。もちろん話すのは英語。これは心配しなくても本当に基本事項の確認だけ。ここで落ちることがたまーにあるが、それはビザ要件を満たしてないとか、予算がまったく合わないとかの理由になる。時々、コミュニケーションとれないぐらいに英語がめちゃくちゃとかもあるらしい。全然英語できなくても根性で応募される方がいたりして。
[応募する際の対策]
その国のビザ基準をチェックして満たすようにする。これは当然ですな。
技術課題の提出
[企業がやってること]
プログラミングの技術課題をメールで送信して、数日かけて宿題みたいに応募者にやってもらう。とくに締め切り日は設定していない。課題を送るからできたら提出してください、って感じ。長期間にわたって返信が無いとなると自然とポジションの枠が誰かに埋まってしまうだけ。
課題の返信があったらエンジニアにメールで転送されてくる。応募者にとってはちょっと苦労する課題だったとしても、採点する方はわりと楽。なぜなら何人かの人からの回答が届くし、他の回答と比較すればどれがよくてどれがイマイチかはだいたい分かるし。ただこの辺りの判断基準はそこまで厳しくなくダメでなければいい、って感じ。ただたまーにここでも明らかにダメが分かってしまって落ちる人も居ます。
[応募する際の対策]
締め切りがあってもなくてもできるだけ課題は早く提出した方がいい。回答内容はスーパーである必要はないけど、ちゃんと正解であれば Ok。
技術面談
[企業がやってること]
オンラインで応募者とこちらの画面をつないである課題を伝えてコーディングをやってもらう。ペアプログラミングみたいにもなるけど、基本的には候補者に主導してやってもらう。1回の時間は1,2時間ぐらい。すごいダメだと最初の15分ぐらいで終了したりもある。全体で1回から3回ぐらい日を分けて行う。ここではこれまでのステップと違ってめっちゃ見ます。細かく見ます。
[応募する際の対策]
ここが勝負の分かれ目ですので全力で挑んでください。回答することと同時に「この人だったら一緒に働きたい」と思わせるのが重要。しかめっ面してなにも言わないより「難しい課題だねー。いつもこんなコーディングしてんの?」とか人間味を出して話をした方がいい。ポイントは黙ってコードを書くのではなく「**ってやろうと思います」と考えを口に出しながら書くこと。
オフィスで面談
[企業がやってること]
全ての技術面談を突破したら契約書にサインする前に1度オフィスに来てもらってメンバーの様子などを見てもらう。飛行機代はもちろん企業持ち。
技術的にはもうこれまでの技術面談で分かっているのでここではお互いの雰囲気が合うかどうかの確認だけ。いろいろとオフィスの中を歩き回って、「キッチンはここ」「遊び場はここ」「トイレはここ」とか言って、最後にチームメンバーの全員と軽く話をする。会話の内容は「どこの国から来たの?」とか他愛のないことばかり。
その候補者が帰った後でみんなで「一緒に働きたいかどうか」を話あって、どうしてもあいつとは一緒に働けない!って人が居ない限りは採用になる。この段階まで来て落ちることはめったに無い。
[応募する際の対策]
応募者にとってもいい会社かどうかを見極める場なので「なんかこの会社ヤバ」とか「イヤだな」っと思ったらやめましょう。外国にもしっかりヤバい会社はありますのでお気をつけて。
まとめ
ざっと採用プロセスを見ればわりと攻略が可能なのが分かっていただけたと思う。最初は「えー?!外国で働くの?」となったとしても要はこのプロセスをひとつひとつ通過すればいいだけだし。スーパーエンジニアでなくても普通に英語が話せてコードが書ければだいたいは Ok。
ただし見事オファーをもらって外国の会社に入ったとしてもスキルが合わなくて1ヶ月で退場(クビ)というケースもよくある。「入りさえすれば Ok」という考えはとても危険。日本とちがってわりと普通にクビがあるのでお忘れなく。
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