ジャバ・ザ・ハットリ
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「シンガポールはグローバル時代の都市国家の最新モデル|堀江貴文」を読んで焦ること

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シンガポールの分析記事を読むといつも焦る。確かにシンガポールとそのスタートアップ界隈の発展ぶりは凄まじいの一言なんだけど、そのど真ん中のポジションを取っている私自身の発展はあるのか?、と考えて焦るのだ。

シンガポールはグローバル時代の都市国家の最新モデル | 君はどこにでも行ける | 堀江貴文 | cakes(ケイクス)

記事内容になんの異論も無い。どんなに鈍感な人でもシンガポールで暮らしていればその強烈な経済発展の速度を感じずにはいられない。目の前で豪華な金持ち向け施設が次々に建ち並んでいくのだ。

客船を模した屋上プールで世界的に知られるマリーナベイサンズホテルをはじめ、街全体が富裕層のために整備されている印象だ。

シンガポールの活気は、かつてのシリコンバレーに似ていると思った。規制を緩くして、アイディアを持った若者たちを引きつけ、イノベーションの生まれる街をつくりあげた。これはグローバル時代の都市国家が目指すべきモデルのひとつだ。

堀江氏の指摘通り、この街はイノベーションで溢れている。政治も社会の仕組みも「新しいモノ」を試して、取り入れる速度がとても速い。さらに私の勤め先はシンガポールのシリコンバレーと呼ばれる、スタートアップが密集したエリアだ。

エンジニアをめぐる環境は日本のとは比べ物にならない。エンジニアひとりひとりの裁量はとても大きく、ほぼプロジェクトの推進そのものを担う。世界各国から集まったエンジニア達と共にシンガポールの土地の優位性と共通語である英語を使って、どんなプロジェクトも世界配信で全世界のマーケットを取りに行く。というか、ここではだれもドメスティックな市場をターゲットにしていない。そしてエンジニアの給与面を含めた待遇はとても高く保たれている。

ここでエンジニアをしていればそれはボーっと立っているだけでも上へ運んでくれる登り向きのエスカレーターに乗っている状態だ。しかもそのエスカレーターは世界のどこよりも速く登っているエスカレーターのひとつだ。

それに引き換え日本のエンジニアの状況は真逆を行っている。まず国内市場だけに投入されるプロジェクト。人材も基本的には国内から。世界で戦うにはとても不利な要素が多くある。また給与などのエンジニアの待遇面はかなり悲惨な状況だ。これは下り向きのエスカレーターを逆向きに走って登らされている状態だ。

しかし、そんな状況であっても、LINE に代表されるように日本発で世界的なすごいプロジェクトを推進するエンジニアの方々がいる。

そんなスゴいエンジニアに出会った際に「え?君はシンガポールでこんな贅沢な環境で登り向きのエスカレーターに乗ってるのに、参画したプロジェクトとその成果はこれだけ?」とか言われないだろうか、と焦るのだ。「私は日本市場という下り向きのエスカレーターにいながらも持ち前の技術を活かしてめちゃくちゃ速く登って、アンタなんかよりも高く上がりましたヨ」なんて言われたら返す言葉もない。

エンジニアは作ったモノで評価される。もっともっといいモノ作って世の中に出していかなければ、せっかくシンガポールに来たのに意味が無い。ちゃんと仕事しよ。

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