ジャバ・ザ・ハットリ
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『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』書評

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    ジャバ・ザ・ハットリ

ほとんどの紙の本は電子化するかキンドル版を購入して、捨ててしまった。だが「私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明」は紙の本のままとってある数少ない私の本のひとつだ。パラパラめくって1フレーズか2フレーズ読んだだけでも、その中に著者の見識が見て取れるので面白いのだ。同じ国に3日と滞在せず世界を飛び回る高城氏の視点は独特で、様々な気付きを与えてくれる。

あたらしいエネルギーを持った表現をするには、自分自身が変わることしかありません。考え方も生き方も住む場所さえも、なにも恐れずに変わることが、唯一の確実な方法だと思います

シンガポールに移住して、仕事の内容もやり方も一緒に仕事するチームの顔ぶれ人種、言葉も全てが変わった。これからも変わり続けるつもりだ。

アイデアと移動距離は比例します。日常から離れれば離れるだけ、俗と欲がなくなり、自身が活性化しアイデアが湧きます。

これは実感がある。お金はほとんど旅行(=移動)することぐらいしか使い道が無くなってしまったが、国境を超えて別の国の街を歩いて、そこで飯食って、そこの人と話しすると得られるパワーは絶大だ。

移動の一番の問題は、決断力を伴う精神力と体力でしょう。予算ではありません。

え?そうかな??もっと予算があったらなーといつも思ってますが。

常に移動して暮らしています。カッコよく言えば、ポジティブな住所不定か旅人。一般的に言えば、ただの住所不定です。

実は住所不定に対して憧れがある。

(世界で仕事をするには言葉も話せないと難しいという意見に対して)
いや言葉ではなく、やってきた仕事と、いまある課題に対するアイデアだけでしょう?海外飛び込み営業しなくても、日本にいながらネットでアプローチできると思うんだけど。だから、最大の難関は「難しい」という自分の気分なんですよ。

そう。難しいと思ってはいけない。とても同意する。ただ私の実感としては言葉もとても重要。そんなカンタンに無視できるもんじゃない。

いまカッコいいブランドはアップルで、CEO のスティーブ・ジョブズは、いつも同じ格好をしています。いつも同じ格好をしているほうが、カッコいい時代になったわけです。というか、デザインなどの見た目重視の時代は過ぎたということです。ファッションそのものは好きなんですが、いまやデザインではなく、あたらしい提案をしなければならない時代なんだと感じます。デザイン重視の時代は、終わったのです。

ジョブズが存命中の時期に書かれた本だから、このような書き方になっている。ちなみに私もいつも同じ格好だ。ここ4年間で違うデザインの服を着たことが一度しか無い。その一度は葬式の時だった。

こだわりの逸品=二十世紀的固定観念の固まりでしたからね。これは、二十世紀との決別であり、同時に形あるもの=デザイン時代の終焉を、僕の中で意味しました。

「こだわりの逸品(笑)」ってなんてイケてない言葉なんだろう。

カメラと PC と性能のいいヘッドホンがあれば、日常的には他はいりません

人によって内容は異なるがだいたい3つだな。私の場合は MacBookPro、キンドル、ヘッドホンだ。そこに iPhone は入らない。

(どんな音楽を聴いていますか?という質問に対して)
いまや「どんな」という質問が、音楽に関しては陳腐な時代にいると思います。コンピュータや iPod に何万曲という楽曲を入れて日々持ち歩いていますから(中略)いまや、世界10億人総選曲時代でしょう

各国から着た職場の同僚達にも「どんな音楽聴いてんの?」とは聞かなくなったな。

「自分も変わる=自分を曲げないの反対」は、少し前までカッコ悪いと言われていたかもしれません。しかし、柔軟な姿勢こそが、なによりの強さであり、変化自在な生き様こそが、この複雑な時代を生き抜くコツだと思っています。

これはなかなか難しい。もっと柔らかくならなければ。

クリエイターって、ウェブデザイナーや CM とか作ってる人?僕にもそんな時期があって、銀行のサイトから世界的メーカーの広告などを作っていましたが、もう時代じゃないでしょう。

も、もう時代じゃないのか?????

「まじめに」と「楽しく」が反対語であることが日本人の問題のひとつではないか、とずっと思っています。そのふたつの要素は共存可能なのに。あとは、無意味な完璧主義。ちょっとでもダメなら、その人もモノもすべてダメ。完璧な人間はいないので、結局全員ダメ。完璧でないと、すぐにイライラするので、雰囲気が悪くなる。完璧なものはないから、すべて雰囲気が悪くなる。自分も完璧じゃないから、「足りてない」と感じ、被害妄想になる。だから家から出られなくなる。
もうちょっと、外でリラックスして楽しくやったほうが、うまくいくと思います。皆、島人なんだから。

島人のところがちょっと良く分からないが、楽しく非完璧主義は重要だと感じている。多国籍なシンガポールの非完璧度合いがとても心地いいのだ。

誰になんと言われようが、好きに生きたほうがいい、を実行すること。わがままとは違います。徹底的に自分と向き合ったあとで、俯瞰的に世界を見た上での自由と、ただ、好き放題に生きる自由とは、まったく異なるのです。

好きに生きる、か。

いまのブログは女子高生も一流クリエイターも同じ土俵にいるわけです。そこで本当の”力”の違いが出るんです。コネがあったり、予算がいっぱいないと良いモノが作れないっていうのは、本当のクリエイターじゃない。独自の視点を持っているかどうかが、平等で厳しく問われるメディアであるがゆえに、インターネットはとても面白いんです。

ブログやネットで作品を発信するのは難しい。ここで書かれていることは日々ヒシヒシと実感している。そう、あの例のパズルサイトなんかがウケなかった際には特に感じる。

私の名前は高城 剛。住所不定、職業不明。
私の名前は高城 剛。住所不定、職業不明。
作者: 高城剛
出版社/メーカー: マガジンハウス
発売日: 2013/05/09
メディア: Kindle 版

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