ジャバ・ザ・ハットリ
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海外移住と海外転職で最低限これだけは準備しておかなければならないモノ

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家族と共に海外に移住を決意した時のことを思い返すと「よくそこまで準備も予備知識も無しに移住したな」と自分のことながら呆れてしまう。準備が無かったので生活における大事なことの決定が全部ギリギリだった。住む家が決まったのも、子供の学校の入学も、仕事も全てがギリギリ。

もし日本企業の駐在員としてシンガポール異動であれば、住まいなどもそれなりに会社が準備をしてくれるのだが、勝手に外国の外国企業に入ってくる場合は基本的に全部自分で準備する必要がある。

世の中には「万全に準備を整えて石橋を叩いて叩いて、他の誰かを先に渡らせてそいつが無事に向こう岸に到着するのを見届けてから自分が渡る」という人達も居る。それはそういう人の考え方でいいのだが、少なくとも今のオフィスにいる各国から集まったエンジニアにそういったタイプはなぜか居ない。

なんとなく「どうやってシンガポールに来たのか?」と聞いてみた。中には家族と一緒にはるばるヨーロッパや南米、アジアから来ている人達だ。で、そのぐらい準備をして来たのか聞いても私と大差が無い。共通しているのは「行ってみたらなんとかなるだろと思ってきたら、なんとかなった」というノリだ。

別に無謀になんでも挑戦することをオススメしている訳ではない。私としても家が決まったのが入居の2日前で、もし運良く決まっていなかったら家族でホテル暮らしをして、家無いし、住所も無いし、家財道具をどこに置いて、どうやって子供の学校の手続きをすればいいのか途方に暮れていただろう。
ナンにしても準備するに越したことはない。

ただ最後の「エイっや!」と心に決めて飛び込むには準備どうこうよりもその未知の内容に挑戦するメンタリティーが必要なのだ。キケンを伴ったがその代償はとても価値があった。日本に居たのでは絶対に知り得ないことを多く知ってしまったからだ。

で、海外移住に関して最低限これだけは準備しておかなければならないモノとしては以下の3つぐらいだろう。

  • ビザ
  • 仕事を得るための専門知識(技術)
  • 家族の協力

ビザは絶対的な最優先事項。これ無しに海外に移住するなんて、無謀を通し越して単なる犯罪。
次が「仕事」ではなく、「仕事を得るための専門知識」としたのは、仕事なんて状況によってコロコロ変わってしまうし、アテにならないからだ。アテになるのはその専門性があれば、たとえ今の仕事が消滅しても他の仕事にありつけるという技術だ。
最後が家族の協力。これ無しには何もできない。

これらの他の海外における家探しや子供の学校や環境など気にしたらキリがないが、それらは準備というよりも、事態が発生した際に、それを対処する気力と体力を備えるという考え方もアリだと思う。

海外向けの転職エージェントで無責任に海外転職を勧めているウェブ記事を読んで「営業のためとはいえ、勝手なこと言ってんじゃねーよ」と思うこと多数ある。ただ自分を振り返ってみるとそんな無責任な記事に負けずとも劣らず、無謀だったな、と思った次第。

(無謀をオススメしている訳ではない。海外では特に全てが自己責任となってしまうことをお忘れなく。)

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